声帯結節・ポリープ様声帯・声帯ポリープ
両側:声帯結節・ポリープ様声帯
片側:声帯ポリープ
声の酷使:全て
→国試的には何の鑑別にも役に立たない知識。ゴミ。カス。使えない。
喫煙:ポリープ様声帯・声帯ポリープ
→ここが鑑別ポイント
◇国試的な鑑別
喫煙が関係ないだけで声帯結節と選択でき(女子アナのイメージ)
片側なだけで声帯ポリープと選択できる
残り物でポリープ様声帯を選ぶ
(ポリープ様声帯と声帯ポリープは両側か片側かで区別するとも言えるが)
◇例題
A:子供や保育士に多い(喫煙関係ない)し、片側であれば声帯ポリープだから逆説的に両側性である
B:声帯ポリープは1stで手術。あとの2つは1stが保存なのが違いポイント。
C:声門癌2/3。声門上癌1/3。声門下癌は稀。
D:クループとは歴史的にジフテリアによるものを指す。発生は最後に報告されたのが、1999年。かつては年間8万人以上の患者が発生し、10%程度が亡くなっていた重要な病気。diphtheria, pertussis and tetanusのDPTといえば生後3か月で打つが、これにより激減した。パラインフルエンザウイルスにより同じような症状になるので、これを仮性クループと呼び、今ではもっぱらこっちが主流である。
E:特発性が最も多い。
オッズ比(コホート研究と症例対照研究の違い)
コホート研究は、A/BのオッズとC/Dのオッズを比較する。
症例対照研究は、A/CのオッズとB/Dのオッズを比較する。
結局、オッズ比を取るとAD/BCになることに変わりはない。
◇コホート研究
仮説として考えられる要因を持つ集団(曝露群)と持たない集団(非曝露群)を追跡し、両群の疾病の罹患率または死亡率を比較する方法
曝露群と被曝露群の比較で、曝露群A/B、被曝露群C/Dというオッズとなる。
つまり、曝露に対して、病気になったか否かを比較するので、A/Bとすべきである。
◇症例対照研究
疾病の原因を過去にさかのぼって探そうとする研究。目的とする疾病の患者集団とその疾病に罹患したことのない人の集団を選び、仮説が設定された要因に曝露されたものの割合を両群比較する。
罹患群と非罹患群の比較で、罹患群A/Cと非罹患群B/Dというオッズになる。
つまり、罹患に対して、曝露は関連していたかを比較するのでA/Cとすべきである。
オッズが同じになるのは何も不思議な事ではない。
因果関係を、未来に求めるか、過去に求めるかの違いでしかない。
116E74
この問題は、低曝露とかいう不必要な項目を入れることで混乱に陥れようとする悪質だが、本質的な意図がある。
疾患Aに対する,「曝露なし」を基準とした時の「高曝露あり」のオッズ比
とは何か?日本語ムズカシイデスね
問題文に「症例対照研究」と書いてある。
であれば、50/30と50/80の比である。
予防因子の研究なので1以下になることは研究の甲斐があるということだ。
これらの違いは研究デザインの違いによるものである。
危険因子と結果との関連性を直接測定できるのは、コホート研究でした。したがっ
て、まずはコホート研究が行えるかどうかを追及したいと思います。ある病院や学校
といった施設でのアウトブレイク事例は、このような調査を行うことができます。
しかしそこに立ちはだかる壁の 1 つは、調査母集団の大きさです。すべての母集団
について危険因子の曝露の有無を調べ上げる必要があるからです。300 名を対象とす
る場合は、5 名の調査員が一人あたり 60 冊分のカルテを見て調べていくという計算
になります。一日 20 冊に目を通すとして 3 日かかります。これが 1000 名、5000
名、10 万人となったら、ほぼ不可能です。
第2の壁は、データの有無です。300 人分のデータをみたところ、危険因子に曝露
があったと記載された人が 100 名、曝露が無かったと記載された人が 100 名で、曝露
の有無について記載がない人、すなわち不明な人が 100 名であったとしましょう。こ
うなると、全体の1/3の状況が不明なわけです。
第 3 の壁は、想定される危険因子の数です。危険因子 A,B,C・・・・と複数の物が
考えられる場合には、それぞれについてカルテを見ていく必要があるわけで、データ
の整理が大変です。このような状況では、コホート研究が成り立ちません。このよう
な場合には、コホート研究をあきらめて、症例対照研究の検討に切り替えます。
疾患に対し、危険因子を列挙するのは簡単ではない。
風邪と手洗いのような簡単で想像の付く因子ばかりではないからだ。
そうすると、集団の因子らしきものを1から洗っていくことになる。
手当たり次第に因子を取ってみてオッズ比を取る作業は、ただただ詰まらない。
ゴールドラッシュの時の金堀のようなものか。
運ゲーともいう。
症例対照研究は、調査母集団が大きいまたは不明な場合に行う苦肉の策と考えまし
ょう。一部の集団を抽出して検討を進めるのですから、最初から全体像を示すもので
は無いのです。一部の抽出という点では、データの収集が不完全な集団を対象とした
研究の場合と同じです。
症例対照研究には、あまり良いことは無いかのように見えますが、実は、最大のメリットは少ない時間で簡単に結果を出せるという点です。
尿路結石の解説
commonで、誰でも見れる必要があるため、国試でも非常に詳しく出題される傾向にあります
◇診断=レントゲン重要
レントゲン写らない:尿酸結石(5%) シスチン結石(1%)
レントゲンで写る:シュウ酸Ca結石・リン酸Ca結石(2つで90%)
◇治療
・クエン酸:どのタイプの結石にも有効
尿酸結石・シスチン結石は、酸性尿になることで析出している。ゆえに尿のアルカリ化が再発防止に有用。
シュウ酸Ca結石・リン酸Ca結石では、Caはクエン酸と結合するため、Caが低下しカルシウム結石の形成を抑制する。
・脂肪制限
脂肪は消化管内でのシュウ酸とカルシウムとの結合を阻害する。
特に以下の知識として重要。
◇シュウ酸Ca結石
これの予防にカルシウムを制限してはいけない
カルシウムは消化管内でシュウ酸と結合する
結果として腸管から多く排泄され、シュウ酸とカルシウムの尿中濃度が低下する
→一見、矛盾するカルシウム摂取は結果的にカルシウム濃度を下げている!
脂肪制限により、カルシウムはより吸収されにくくなる。
レントゲンに映るタイプの結石には有効な手段である。
◇アルコール制限
アルコールは尿酸の産生↑かつ排泄↓と作用する。
そのアルコール代謝で乳酸が増える(機序は難しい)
するとどちらも増える乳酸と尿酸は競合して、相対的に尿酸の排泄が減少する
ゆえにアルコールは痛風になりやすい
尿路での総排泄は減少するわけではなく、血中で増えた尿酸により結局は総尿中排泄量は増えている。したがって尿路結石にもなる。
◇塩分制限
ナトリウムの摂取
→尿中ナトリウムと尿中カルシウムの排泄増加
→カルシウム結石の形成を促進
食塩が尿中カルシウム排泄増加をきたすメカニズムは,尿細管におけるカルシウムの再吸収抑制によると考えられている。この理由については,細胞外液の増加に伴う細胞外pH の低下(代謝性アシドーシス)との関連性が示唆されている。
108F23
塩酸リトドリンはβ2刺激薬
betaだのalfaだの分かるか!
ということでまとめる
β1受容体
心臓、消化器、脂肪組織、冠血管
心拍数増加、心筋収縮力増加、脂肪分解、冠血管拡張、消化管弛緩
心臓に優位に働く。
β2受容体
肺臓、肝臓、膵臓、骨格筋血管、骨格筋、交感神経、白血球、肥満細胞
気管支拡張、血管拡張、グリコーゲン分解、骨格筋収縮力増大
つまりは子宮も緩むわけか
β3というものもあり、過活動膀胱の治療で、従来の抗コリン薬に加え使用される。
どうも抗コリンは便秘や、口渇に困る人がいるようだ。
α1は血管平滑筋の収縮に働く
α2はβ2とだいたい同じだ。シナプス前に存在するところが違う。
血管はα1とβ2の釣り合いで、心臓がβ1だ。
妊婦に使える高血圧治療薬はメチルドパ・β遮断薬・カルシウム拮抗薬
メチルドパは、アドレナリンα2受容体を介し、交感神経を抑制して末梢血管を拡張する。
これは中枢に働くので、末梢血管に直接働くわけではない。
なのでαもβも抑制。
βブロッカーは高血圧に使うなら、β1ブロッカーだけでいい。
β2ブロッカーなら逆に血管の拡張を妨げる。
β遮断薬は,心不全や心筋梗塞などの心疾患において心保護作用,長期予後改善作用があるため必要不可欠な薬剤であるが,高血圧治療における存在意義は必ずしも大きいとはいえない.
非選択性の場合はβ2 受容体を介した血管拡張作用まで阻害するため,降圧効果に拮抗する.
http://www.igaku.co.jp/pdf/1308_circulation-02.pdf
プロプラノロールは非選択で、喘息禁忌。
アテノロールは選択的。
カルベジロールは非選択的でαβ受容体遮断薬で、これがメチルドパに近い。
カルベジロールのβ1、β2受容体遮断の効力比はおよそ7:1であり、β2受容体遮断作用は比較的弱いものの、気管支収縮を起こすおそれがあるため禁忌
なぜ交感神経系で矛盾する作用を持たせるのか?
α1はよくわからない。β2は血液動態をよくするという意味では理解できる。
まとめ
・β2=α2(部位が違う)
・β1だけ心臓。一人っ子ムーブ。
・α1は血管収縮。
116E15 呼吸音は難しい
116E15
疾患と聴診所見の組合せで正しいのはどれか。a COPD --------- stridor
b 胸膜炎 --------- rhonchi
c 石綿肺 --------- fine crackles
d 肺水腫 --------- Hamman's crunch
e 気管支喘息 --------- friction rub
解答: c
□COPDはrhonchiで中枢気道の狭窄を示唆する
呼気と吸気で聴取するがより呼気で大きい
□stridorは上気道の狭窄を示唆し、喉頭蓋炎などで聴取する
吸気と呼気で聴取するが、より吸気で大きい
(心不全で水が気道にたまりwheezeになる)
末梢気道の狭窄を示唆する
これは呼気で聴取とされるが、実際には・・・
呼気時のみ起こる場合は,吸気および呼気両相で起こる場合よりも軽度の気道閉塞を示し,両相でみられる場合はより重度の気道の狭小化を示唆する
従って、一応教科書的に書かれるように
stridor(吸気)>rhonchi(呼気)>wheeze(呼気)
という流れになる
【定義】
そして喉頭よりも肺側の気管を下気道とする
なかでも、2㎜を区切りにして下気道を中枢気道と末梢気道に分ける
(なお1〜2mmの気管支が細気管支である)
ゆえに、呼吸音からはrhonchiを聴取するCOPDの病変は2㎜以上の中枢気道に存在することが分かる
しかし区別する耳の能力はたいして重要ではない(笑)
これを後述する
【過去問】
112A66
70歳の男性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。3年前から労作時の息切れを自覚し、徐々に増悪するため受診した。夜間睡眠中には自覚症状はない。43歳時に心房中隔欠損症の手術歴がある。気管支喘息の既往はない。喫煙は20本/日を47年間。3年前から禁煙している。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧134/70mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97 %(room air)。6分間歩行試験ではSpO2の最低値は91%であった。胸部聴診では呼吸音は減弱し、軽度のrhonchiを聴取する。心エコー検査では、左室駆出率は保たれ推定肺動脈圧の上昇も認めない。呼吸機能所見:VC 3.40L、%VC 92%、FEV1 1.30L、FEV1% 38%。
過去問にしっかしロンカイと記載がある
【余談】
まだまだCOPDはわかっていないというのが実情だろうと思う
ちょっと古い記事だが・・・
2001年に発表されたGOLDによる世界的規模でのCOPDガイドラインは、気流制限の主要責任局在は内径2mm以下の末梢気道であるとした。このことは、ここに始まった炎症が肺の末梢に拡大し肺気腫を生じ、気道中枢側に優位的に進展すれば慢性気管支炎が前景に出るという仮説を示したものである
肺気腫や慢性気管支炎という診断名を用いるとCOPDの臨床病変の完成終末像を印象づけるのみで、最も主要な共通病変である末梢気道病変の欠落が危惧される
したがって科学的妥当性の見地からCOPDにこだわることになる
http://www.me-times.co.jp/book/pdf/HotW11.pdf
ここで弊大学の前教授が登場なさったのでしっかりと呼んでみる(笑)
COPDの診断および病態の把握は、病歴・身体所見・肺機能検査・胸部X線・血液ガスなどを総合してなされるべきものです。
最近発表された国際的なCOPDの診断・治療のガイドライン:GOLDでは、COPDの診断が肺機能検査の中でも最も簡便なスパイロメトリーで行うことができるように配慮されています。
配慮でしかないのだ!全くもって完全ではないということでもある!
胸部CTにおいては、低吸収領域の存在により早期の肺気腫病変を検出でき、また気道病変の存在も気道壁の肥厚などで検出できます。このため、COPDの病態をよりよく評価するために、胸部CTを撮像することが勧められます。
この2つのタイプのどちらに進むかは、人によりけりながら、診断は一秒率=すなわち気道の方、を重用視しているということになるか。
そりゃCTも撮れよ!って言いたくなりますわな
116回国試Dブロック 感想
116D1
D抗体は妊娠途中で作られるかもしれず、そのときはグロブリン無意味
4
先天性副腎皮質過形成=21-水酸化酵素欠損
コルチゾール補充するが、感染時は増量する必要あり
=通常の2倍程度投与
なんと手術だと30倍!
5
食道憩室
憩室の治療は通常必要ありません。 しかし、症状が重い場合または憩室が大きい場合は手術で憩室を切除することができます。 運動障害に伴う憩室は、原因となっている障害の治療が必要です。
6
梅毒で動脈瘤
バージャー病は末梢病変のみ
8
化膿性汗腺炎はありそうで聞かない疾患
原因は不明=感染症ではない
皮膚ににきびのように見える隆起
痛みを伴う膿瘍と瘻孔
9
大腿ヘルニアは嵌頓しやすいので手術
女性に多い
内側よりVANであるが、どっちからVANだったか忘れがち
大腿ヘルニアはより内側からで、Vを圧迫しているクレッセントサインを見る
と、理解してみるといいかも
10
流産の7割は染色体異常
1割が子宮奇形
1割が抗リン脂質抗体症候群
12週までが早期流産
12週~22週までが後期流産
あとは死産
流産の9割は早期流産なので、「早期流産の原因は?」と言われて少し戸惑ったが気にしなくていいようだ
11
割れ問
咽後膿瘍とは、のどの奥に膿がたまったものです。 細菌感染が原因です。 症状には、ものを飲み込みにくい、飲み込むときの痛み、発熱、項部硬直、大きな音の呼吸など。
魚の骨などのとがったものがのどの奥を傷つけ、咽後膿瘍の原因となる場合もあります。
アデノイドで中耳炎はよく聞くが、あれは上咽頭
咽後膿瘍は中咽頭らしい
ゆえに咽後膿瘍で中耳炎からの難聴は起きないとのこと
ま、そんなこと知る由はなく実質2択の運ゲー問題になっていたと思われる
一方で上気道閉塞で呼吸回数が増えるのだろうか?
肺炎など肺のコンプライアンスが減少するために 1 回換気量が不足し、呼吸回数で補おうとする。
この仕組みは分かる。あとはアシドーシスの補正とか。
上気道閉塞では、大きく少ない呼吸になりそうなイメージがあるが・・・
113D41 急性喉頭蓋炎
52歳の男性。咽頭痛と呼吸困難を主訴に深夜の救急外来を受診した。4時間前から強い嚥下痛のため食事が摂れなくなった。2時間前から呼吸困難を自覚するようになった。体温38.5℃。脈拍96/分、整。血圧150/90mmHg。呼吸数30/分。SpO2 92%(room air)。
これを見る限り、ありうるようだ。
一つ勉強になりますね。
12
13
前立腺がんの割れ問
国際前立腺スコアは前立腺肥大のためのもののイメージなのでここを多数が選んでいたのは意外・・・
でも使ってもおかしくはないらしい。
むしろテストステロン値を選びそうなものだが?
I期→前立腺に限局するが、片葉の1/2以内にとどまる
Ⅱ期→片葉の1/2を超えるか両葉に進展する
Ⅲ期→前立腺被膜をこえて進展する
Ⅳ期→隣接臓器浸潤、リンパ節転移や遠隔転移がある
病期III期の患者さんには、内分泌療法を単独あるいは放射線療法と組み合わせて行います。
病期IV期の患者さんには、主として内分泌療法を行います。
ほとんどの患者さんが、ステージⅠ/Ⅱの前立腺に限局しているがんで全体の約8割を占めています
画像を見る限り、ホルモン療法を病期ⅠⅡでもやるようになっているが、必ずしも実態を反映していないと言える
8割は病期ⅠⅡなのであり、さらにそこにリスク分類をすることが為されている
これをNCCN分類という
早期がんの中でも早期である超低リスクは治療において経過観察を選択する
で、そのリスク分類にPSAやグリソンスコアが重要ということだ。
では病期Ⅲ以上でテストステロン計測要らんのか?というと、要らないらしい!
まずはホルモン療法!
前立腺がんに対するホルモン治療は永久的に効果が持続するわけではありません。初回のホルモン治療の平均的な効果持続期間は3年と言われています。効果が無くなると、男性ホルモンが低く抑えられているにもかかわらず、前立腺がんは増殖します。この様な状態になった前立腺がんを「去勢抵抗性前立腺がん」と呼びます。
「去勢抵抗性前立腺がん」の証明に測る必要があるに過ぎない
ここにきて初めて
と治療していく
「いやもしⅣ期(隣接臓器浸潤、リンパ節転移や遠隔転移がある)と初めから分かっているときに、PSAとかグリソンスコアとかいらんやん!!」という突っ込みが出来る
あまりいい問題ではない、だから割れる
18
またαブロッカーかよ(笑)という問題
116回はここまでで3回出題されている
偏りすぎです
25
めちゃめちゃ出血することを覚えとけ!という問題
29
舌癌の治療法とか、知っておく必要ないと思うのですが・・・
変に詳しいと、粒子線治療もあったな!きっとひっかけに違いない!とか思ってしまうのですよね
非扁平上皮癌は粒子線治療もされている
1割の頭頸部がん(非扁平上皮がん)はX線治療や化学療法に抵抗性のことが多く、手術治療が困難な場合、有効な治療法がありませんでした。
舌癌だけでなくほかにも生かせる知識なので放射線治療科の出題ならここ聞くかもね
30
ちょっと謎な設定
レントゲンまで取っておきながら、外来診察では陰圧個室にすべきだったろうが!というのは無理があるような・・・
微熱かつ咳嗽の時点でTB疑いで陰圧に誘導するの?
どうなんでしょうね(笑)
この人は上葉で病変ありだが、これは二次性を示唆する。
31
vogt小柳原田病
髄液検査が重要
髄膜炎・・・頭痛や項部硬直、髄液細胞増多(リンパ球増加)
内耳症状・・・耳鳴り、めまい、感音性難聴
皮膚症状・・・白髪化(脱色素)
頭痛が出題者側の配慮だったかも
こんなマニアックな病気はなぜか正答率高いんですね~
32
30歳の男性。咳嗽と労作時の呼吸困難を主訴に来院した。14日前から咳嗽が出現し徐々に増強してきた。労作時の呼吸困難を伴うようになってきたため受診した。7年前から東南アジアへの頻回の海外渡航歴がある。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧118/78mmHg。呼吸数24/分。SpO2 91%(room air)。両側中下肺野にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球414万、Hb 12.7g/dL、Ht 25%、白血球13,700(好中球92%、単球3%、リンパ球5%)、血小板37万。免疫血清学所見:CRP 0.4mg/dL、β-D-グルカン185pg/mL(基準10以下)。胸部エックス線写真(A)、肺野条件の胸部CT(B)および気管支肺胞洗浄液Grocott染色(C)を別に示す。
真菌感染症として思いつくものは
アスペルギルス
ムコール
クリプトコッカス(βDグルカン上がらないので却下)
トリコスポロン(ふつうは過敏性肺炎?)
◇慢性肺アスペルギルス症
喀血を繰り返し緩序な進行ながら難治性となる
単純性肺アスペルギローマと慢性進行性肺アスペルギルス症
基礎疾患としては陳旧性肺結核が最も頻度が高い
画像所見:空洞陰影。菌球様陰影は通常伴うことが多い。
◇侵襲性肺アスペルギルス症
白血病や造血幹細胞移植後の好中球減少状態において発症
発症早期に胸部 CT で halosign を伴う結節
5.肺・胸膜 (9)真菌性肺炎(アスペルギルス)|病理コア画像
◇カンジダ
基本的に肺炎として考えなくてよい
喀痰や肺胞洗浄(BAL)液からカンジダが検出されても,実際は殆どがコロナイゼーションです。呼吸器感染症は血行性に肺へ転移感染巣をつくるくらい。
◇肺ムコール症
侵襲性アスペルギルス症に類似する。
肺症状(例,湿性咳嗽,高熱,呼吸困難)は重度である。
中枢神経感染をきたす。
鼻中隔,口蓋,および眼窩または副鼻腔周囲の骨を侵しうる。
大型の菌糸がみられる。
◇ニューモシスチス
HIVとの関連で出題されることが殆ど
致死的な肺炎を起こす日和見感染の原因
112B27
28歳の女性。1年前から口唇ヘルペスで3回の治療を受けた。歩行時の息苦しさを主訴に受診し、ニューモシスチス肺炎と診断された。ニューモシスチス肺炎の治療と同時に基礎疾患が検索され、HIV感染症と診断された。免疫血清学所見:HBs抗原陽性、HBs抗体陰性、HBV-DNA陽性、HCV抗体陰性。
この患者の抗HIV治療薬の選択において最も重要なのはどれか。
a 飲酒歴
b 喫煙歴
c B型肝炎の合併d 口唇ヘルペスの既往
e 性交渉のパートナーの人数抗HIV薬服用により患者の免疫が回復
=HBVに対する免疫応答も回復
=B型肝炎(免疫再構築症候群〈IRS〉)
前年度にしっかり出ている↓
115A37
47歳の男性。乾性咳嗽を主訴に来院した。2週前から夜間の微熱があり、1週前から出現してきた乾性咳嗽が増悪したため受診した。1年半前に原発性骨髄線維症に対して同種造血幹細胞移植を受けた。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧110/62mmHg。呼吸数20/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球319万、Hb 10.3g/dL、Ht 31%、網赤血球2.8%、白血球5,700(桿状核好中球3%、分葉核好中球80%、好酸球3%、好塩基球1%、単球8%、リンパ球5%)、血小板21万。血液生化学所見:IgG 480mg/dL(基準960~1,960)、IgA 21mg/dL(基準110~410)、IgM 28mg/dL(基準65~350)。CRP 3.2mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.39、PaCO2 44Torr、PaO2 61Torr、HCO3- 25mEq/L。誘発喀痰のMay-Giemsa染色では栄養体を、Grocott染色では黒く染まるシストをそれぞれ検出した。
びまん性のスリガラス影が重要だ
小型(1〜3μm)の栄養体(9割以上を占める)
厚い細胞壁を有するやや大型(5〜8μm)のシスト
https://www.jmedj.co.jp/files/item/ebook/598.pdf
これを見る限り栄養体はとても小さく、見落としてしまうだろうから、国試には出ないだろう
33
割れ問
理由は、ビタミンK欠乏であろうと読み取れるまではできても、その原因として母乳栄養だけでなく、胆道閉鎖症があることまで踏み込めなかったから。
一応、意識障害で内服できないかもしれないというヒントはあるが、ビタミンKのシロップくらい口に垂らせばよくね?とも考えられてしまう・・・
そしてもし意識障害に気を留めなくとも、胆道閉鎖症では腸管からの吸収は不可能であり、靜注すべきであるという引っかけが厳しい。
さらにビタミンKがないのに、ビタミンK依存性凝固因子入れても仕方ないだろう!と考えるのも人情だろう。
だがビタミンKが補酵素として作用する、γ-カルボキラーゼによって産生される(Gla)残基を持つ蛋白質群をビタミンK依存性蛋白質と呼んでいるにすぎないことに注意されたい。
活性に作用しているわけではないので、補ってやれば、なにもビタミンKなど要らないわけだ。
そしてFFP補ってから手術すべきだ
35
38歳の女性。3週間前から乾性咳嗽が出現するようになり改善しない。夜間には落ち着いているが日中仕事中に咳が出る。これまで喘息を指摘されたことはない。18歳から花粉症を認めている。1年前から製パン工房でパートとして平日週5日働いている。週末、家にいるときには日中も症状がないが、月曜日に職場に行くと咳が出る。白血球5,700(分葉核好中球56%、好酸球12%、好塩基球0%、リンパ球32%)
診断に有用な検査として誤っているのはどれか。
a 肺拡散能検査
b 気道過敏性試験
c 特異的IgE抗体
d 気道可逆性試験
e ピークフロー日内変動
職業性喘息
過敏性肺炎との違いはという点が重要か
過敏性肺炎はⅢ型及びⅣ型のアレルギー性肉芽腫性間質性肺炎である
ゆえに肺拡散能検査(DLCO)は有用だ(QBの解説はオカシイね)
ただし過敏性肺炎は発熱があるのが普通なので、今回は無視するらしい(?)
私が思うにアレルギーの型が違うのだから、IgEを調べれば後は鑑別にはどうでもよくね?と。
40
またしても真菌が来た
今度はアレルギー性気管支肺アスペルギルス症 ABPA
53歳の男性。3年前から喘息のコントロールが不良でしばしば増悪を起こし、肺炎を繰り返すようになった。
類題
111D45
45歳の男性。喀痰を主訴に来院した。1年前から茶褐色の細長い粘稠な痰をしばしば喀出するようになった。小児期から喘息で治療中である。
この疾患について誤っているのはどれか。
a 血清IgE値は高値を示す。
b 末梢血で好酸球増多を示す。
c 移動性の肺浸潤影を呈する。
d 喀痰培養で抗酸菌が検出される。
e 第一選択の治療薬は経口副腎皮質ステロイドである。
喘息患者では気道がリモデリングされ、クリアランスが低下する。
そのためアスペルギルスが定着しやすい。
IgEとしての1型アレルギーと、その他3型、4型も関与している。
アレルギーとしての性質が感染症としての性質を上回るが、それは別に免疫不全があるわけではないので、感染で問題になるわけではないということか。
真菌は、トリコスポロンでもそうだったように感染症とアレルギーの両方がある
免疫不全ならば感染症として問題になる
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は職業性喘息として指摘されることがある
1型としての性質がある
事実、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は難治性の喘息である
吸入ではいけない
気管支よりもっと深いところに届くために全身投与になる
41
悪問だと思う・・・
腎細胞がんなんて知っておくべきことは別にないだろう。どうでもいい。
国試ではIFNで治療することが過去に出ている。
分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬もいい適応である。
11㎝の腎細胞がんは全摘していた。
113C50
51歳の女性。左腎細胞癌に対して根治的左腎摘除術を受けている。術後10か月で、両肺に径1cm未満の肺転移が複数出現した。肺転移に対して、まず行うべき治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
111I62(これも悪問)
腹部臓器とリンパ節とに転移を認めない
この患者に対する適切な治療はどれか。
a 手術療法
b 免疫療法
c 放射線治療
d ホルモン療法
e 抗癌化学療法
112D23
67歳の女性。根治的右腎摘除術後の治療効果の確認のために来院した。1年前に長径11cm大の右腎細胞癌と多発肺転移に対して、根治的右腎摘除術を受けており、術直後から肺転移巣に対してインターフェロンαの自己投与を週3回施行している。インターフェロン導入11か月後の治療効果の確認のため受診した。(効いていない)
今後の治療として適切なのはどれか。
腎細胞がんが大好きなおっさんが出題を繰り返していることが読み取れる(笑)
今回は4㎝程度であった。部分切除でいいらしい。
この出題者のおっさん的には、
「転移があってもまず手術で、インターフェロンをぶち込めと。それが効かないならIFNから分子標的薬に変えろと。免疫チェックポイント阻害薬はお前らには早い!」
という感じだろうか?
小径にて腎部分切除術が第一選択です。
進行腎癌にはIO drugが治療の中心になってきているので、eは要注目です。
との声も。
マイナー疾患おじさんは自重して下さい!
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MDA5皮膚筋炎は間質性肺炎で死ぬ
しかし筋症状はない
TIF1は悪性腫瘍になりやすい
Mi2は悪性腫瘍になりにくい
これもまあ最近有名になりつつありますが、医学生にとりどうでもいい話ではないかと
逆ゴットロンとか予後悪いことが有名
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個人的に一番知るかボケ!と思った問題
下垂体卒中
既存の下垂体腺腫に出血または梗塞が生じ,突然に頭痛,嘔吐,視力視野,眼球運動,内分泌障害,意識障害などを引き起こす病態である.
必ずしも下垂体卒中に特徴的な症状(眼症状)をともなっているわけではなく、救急の現場では適切な診断がなされていない場合も多い。
ゆえに画像診断が大切。たとえ専門医でも画像が大事。
意識レベルの低下、急激な高度の視力障害の場合は緊急手術
中等度の視力障害であれば可及的早期の手術
SAHと考えるならa 血管内治療かd 開頭クリッピング術の2つあるのであり得ない。
脳梗塞と考えるならb 減圧開頭術。
よってbを選択した人はまあ仕方ないと割り切れる。
しかし、脳梗塞からの乳頭浮腫と考えるにしても、乳頭浮腫の患者では通常,初期に視力は侵されないことを知っておこう。
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ボツリヌスは弛緩性
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劇症肝炎の定義とか覚えてないだろ?
【定義】
肝炎の初発症状出現後8週以内で・・・
昏睡2度以上の肝性脳症orPTINR1.5以上を肝不全とする。
肝不全の中でも、ウイルス・自己免疫・薬剤によるものを劇症肝炎とする。
PT-INR 2.1なのでたしかに満たす
3日前から物忘れがひどくなり、自分がどこにいるかも分からなくなっていた。
呼びかけには反応するが、傾眠状態である。
=今では3度になっているか。
急性肝炎とは、短期的に肝臓に炎症が起こる疾患。
原因には、ウイルス性、自己免疫性、薬物性。
基本的には自然治癒。
一部(1~2%)は重症化し、劇症肝炎に移行。
より広義なのでこれも当てはまると思いますけどね?
(1)HBV再活性化のタイミング
HBV再活性化は化学療法中だけでなく化学療法後にも出現することがたまにあることです。特にリツキシマブ使用症例はハイリスクです。そのため、化学療法後もHBVの核酸アナログ投与やモニタリングは必要で、モニタリングを中止するのは非常に難しいです。本症例がまだ治療中なのか治療後なのかは分かりませんが、出題委員のメッセージのキモ(出題意図)はここだと思われます。
(2)再活性化したらほぼ亡くなる、対応間違えると1億円の損害賠償
本症例のような元々HBs抗原陰性キャリアが再活性化して急性肝不全を起こしたら、87%死亡します。そして、対応如何ですが、対応によっては1億3200万円の支払いを命じた判例もあります。(平成27年11月25日、大阪地方裁判所)
本症例は「施設から遠いという自己理由・判断で通院していなかった」で医療者側の保証もされますが、一歩間違えると1億円賠償の案件でした。
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一般的には、メトトレキサートを週 8 mg を超えて服用するときは、副作用の
予防目的で、葉酸製剤(フォリアミン ®)を併せて服用します。
葉酸製剤をメトトレキサートと同時に飲んだり、主治医が指示した量より多く飲
んでしまうと、メトトレキサートのリウマチに対する効果が弱まり、リウマチが悪
くなる場合があります。
ロイコボリンレスキューという。
メトトレキサートによる重篤な副作用発現時には通常のフォリアミンでなく活性型葉酸のホリナート(商品名:ロイコボリン)が投与される
選択肢の活性型という部分は実は深いのであった
たいていこういう余計な言葉がついていると不正解だったりするんですけどね~~
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嫌いな問題
PEにフィルターは不可ではない無難な選択だが、答えはヘパリン
ヘパリン?術後なのに?禁忌怖い!!となる・・・
大手術の2週間、悪性腫瘍、脳梗塞急性期、胃潰瘍などでヘパリンは禁忌
しかし膝の手術は小手術であり問題ない。
知らねーよ!と思った
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なのでヒスタミンが好塩基球から出て赤ら顔になる
慢性骨髄性白血病や真性多血症などの骨髄増殖性疾患では顆粒球の交代率が高まり,血中のトランスコバラミンが著増する結果,ビタミンB12量が増加する
CMLのビタミンB12上昇について | medu4でゼロから丁寧に医学を学ぶ
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糖尿病性腎症と診断するのに必要な検査はどれか。
a 腎臓超音波検査
b 血中クレアチニンの測定
c 血中シスタチンCの測定
d 尿中アルブミン/クレアチニン比の測定
e 尿中β2-マイクログロブリン/クレアチニン比の測定
個人的には疑問が残る
糖尿病性腎症のなかには、微量アルブミン尿からではなく、GFRの低下から始まるものが存在する。
これまでの古典的な糖尿病性腎症(diabeticnephropathy:DN)は,高血糖等の代謝性障害に起因した糸球体障害による微量アルブミン尿の出現に始まり,顕性アルブミン尿へと進展し,腎機能が低下し,末期腎不全に至る経過をたどると考えられてきた.
病理所見による診断を必要とせず,糖尿病がその発症や進展に関与していると考えられる慢性腎臓病(chronic kidneydisease:CKD)を糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)と定義した.
加齢や高血圧を背景とした動脈硬化や脂質異常症による腎障害の要素が強いDKDでは,顕性アルブミン尿を伴わずにGFR(glomerular filtration rate)が低下することがある.
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高安動脈炎では動脈生検禁忌
側頭動脈なら生検できる
しかし巨細胞性動脈炎は高齢発症であり、否定的である
難しいわな
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ALLかと思った(血小板減っているし)
“異型リンパ球=腫瘍細胞”ではない。リンパ系腫瘍である“異常リンパ球”を見逃さないことが重要である。
ALLは
白血病裂孔が陽性で、リンパ系と思われる単一芽球の増加している
骨髄,脾臓,リンパ節など網内系での マクロファージまたは組織球による自己血球の 貪食を特徴とする
先天的な遺伝子異常による1次性(または原発性)のものと、ウイルス感染、細菌感染、悪性腫瘍、膠原病などの疾患に続発する2次性のものがあります。このうち、ウイルス感染に続発するものをウイルス関連血球貪食症候群(virus-associated hemophagocytotic syndromeVAHS)と呼びます。
マクロファージが活性化してフェリチンが著増するのが特徴らしい
むしろここから想定する病気に気づく感じかな