オッズ比(コホート研究と症例対照研究の違い)

 

コホート研究は、A/BのオッズとC/Dのオッズを比較する。

症例対照研究は、A/CのオッズとB/Dのオッズを比較する。

 

結局、オッズ比を取るとAD/BCになることに変わりはない。

 

コホート研究

仮説として考えられる要因を持つ集団(曝露群)と持たない集団(非曝露群)を追跡し、両群の疾病の罹患率または死亡率を比較する方法

曝露群と被曝露群の比較で、曝露群A/B、被曝露群C/Dというオッズとなる。

つまり、曝露に対して、病気になったか否かを比較するので、A/Bとすべきである。

 

◇症例対照研究

疾病の原因を過去にさかのぼって探そうとする研究。目的とする疾病の患者集団とその疾病に罹患したことのない人の集団を選び、仮説が設定された要因に曝露されたものの割合を両群比較する。

罹患群と非罹患群の比較で、罹患群A/Cと非罹患群B/Dというオッズになる。

つまり、罹患に対して、曝露は関連していたかを比較するのでA/Cとすべきである。

 

オッズが同じになるのは何も不思議な事ではない。

因果関係を、未来に求めるか、過去に求めるかの違いでしかない。

 

116E74

116回医師国家試験 116F74

この問題は、低曝露とかいう不必要な項目を入れることで混乱に陥れようとする悪質だが、本質的な意図がある。

疾患Aに対する,「曝露なし」を基準とした時の「高曝露あり」のオッズ比

とは何か?日本語ムズカシイデスね

 

問題文に「症例対照研究」と書いてある。

であれば、50/30と50/80の比である。

 

予防因子の研究なので1以下になることは研究の甲斐があるということだ。

 

 

これらの違いは研究デザインの違いによるものである。

危険因子と結果との関連性を直接測定できるのは、コホート研究でした。したがっ
て、まずはコホート研究が行えるかどうかを追及したいと思います。ある病院や学校
といった施設でのアウトブレイク事例は、このような調査を行うことができます。


しかしそこに立ちはだかる壁の 1 つは、調査母集団の大きさです。すべての母集団
について危険因子の曝露の有無を調べ上げる必要があるからです。300 名を対象とす
る場合は、5 名の調査員が一人あたり 60 冊分のカルテを見て調べていくという計算
になります。一日 20 冊に目を通すとして 3 日かかります。これが 1000 名、5000
名、10 万人となったら、ほぼ不可能です。


第2の壁は、データの有無です。300 人分のデータをみたところ、危険因子に曝露
があったと記載された人が 100 名、曝露が無かったと記載された人が 100 名で、曝露
の有無について記載がない人、すなわち不明な人が 100 名であったとしましょう。こ
うなると、全体の1/3の状況が不明なわけです。


第 3 の壁は、想定される危険因子の数です。危険因子 A,B,C・・・・と複数の物が
考えられる場合には、それぞれについてカルテを見ていく必要があるわけで、データ
の整理が大変です。このような状況では、コホート研究が成り立ちません。このよう
な場合には、コホート研究をあきらめて、症例対照研究の検討に切り替えます。 

疾患に対し、危険因子を列挙するのは簡単ではない。

風邪と手洗いのような簡単で想像の付く因子ばかりではないからだ。

そうすると、集団の因子らしきものを1から洗っていくことになる。

手当たり次第に因子を取ってみてオッズ比を取る作業は、ただただ詰まらない。

ゴールドラッシュの時の金堀のようなものか。

運ゲーともいう。

 

症例対照研究は、調査母集団が大きいまたは不明な場合に行う苦肉の策と考えまし
ょう。一部の集団を抽出して検討を進めるのですから、最初から全体像を示すもので
は無いのです。一部の抽出という点では、データの収集が不完全な集団を対象とした
研究の場合と同じです。

症例対照研究には、あまり良いことは無いかのように見えますが、実は、最大のメリットは少ない時間で簡単に結果を出せるという点です。