110C20

患者は61歳の男性で、全身倦怠感general malaiseを主訴とする。この2日間に腹部膨満感Distended abdomenを発症している。この患者には長い飲酒歴がある。しかし、アルコール依存症の治療を受けたことはない。
身体所見では、意識は明瞭である。発熱はない。結膜conjunctiva黄疸icterus,前胸部の血管性クモ,両側脛骨前部pretibial浮腫をみとめた.超音波検査で中等度の腹水ascitesが検出された。

このため、できるだけ早く本国の医師に相談するよう強く勧めた。

 

DeepLもまだまだですね。間違いがいくつかありました。

難しい英語が太線で。

 

飛行機でやってきて肝硬変かよ、、とは思いますが、DVTばっかりでは正答率が上がりすぎるということか。

105H7

代謝と関連するビタミンはビタミンCKD

 

C:コラーゲン作る

 

K:骨芽細胞の形成過程に関与する

 

D:CaP吸収↑

 

ビタミンK依存性タンパク質というのは結構な種類があるようだ。

骨にあるオステオカルシンというカルシウム結合タンパク質も、ビタミンK依存性だ。

もちろん、凝固因子2、9、7、10も、そう。

ビタメジンという薬がある

B1,6,12の合剤。考えなくていいので便利だ。

1:脚気 ウェルニッケ脳症

12:亜急性連合性脊髄変性症 貧血

とまあ、病態が微妙に異なるので覚えても忘れがち。

輸血

☆血小板 室温 振とう 4日

血小板の形態が円盤状で質がイイと、光を一様に屈折するためにスワーリングする

(でも見ることはまずないですね)

圧倒的に血液内科オーダーのブツです

 

FFP 冷凍(-20℃以下、大体-40℃とか) 解凍は体温程度で 1年

DICの時に使うくらい

基本的にに肝臓科が使う

 

☆赤血球 冷蔵(4℃) 21日

どの科でも使いうる 

 

 

注意点

・ICでは副作用をしっかりと説明する。特にアレルギーの発熱・蕁麻疹は頻度が高く(1~10%)係争になることも。

・研修医が5~10分程度ベットサイドで観察すること。

→とくにABO不適合輸血! 血管痛や頻脈、腹痛で気づければ助けられるが、発熱やチアノーゼを認めてからでは死亡率が高くなり、ショックに陥った例では救命できないことがしばしば。

・輸血後の感染症検査は現在不要になっている。頻度が少ないのでコスパ悪し。

ただしこれをICしないと引いてしまったらヤバいので注意。

 

なお現実問題として、O型RH-は用意できない。O型Rh+を使っているのが実情。

Rh不適合は目をつむるしかない。

 

topics

・末梢血幹細胞

G-CSFを健常人ドナーに投与する是非もあったが、おおよそ問題ないということで。

簡便であるが、慢性GVHDの頻度は骨髄幹細胞に比べ多い

小児科では慢性GVHDを嫌い、骨髄にする施設が多い。

高齢者では、末梢血幹細胞のほうが感染リスクが低いことから8割方選択される。

 

・顆粒球輸血

好中球の寿命は8時間程度とされる。従ってこの輸血は近親者でもなければ困難。

もちろん保険適応外。

http://ganpro.med.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/05/169%E5%8F%B7.pdf

 

・間葉系幹細胞

GVHDの治療に。

http://ganpro.med.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/02/mm129_201501.pdf

 

 

 

心電図だけでフォローしてみた

息切れで来院(今回の話の流れは下線

①心疾患

心不全

不整脈

・弁膜症

・貧血

②肺疾患

・肺炎

COPD

・喘息

・肺塞栓

辺りを上げる。

 

☆まず歩行可能か、安静か、の判断

安静指示は大抵、心疾患であるから

・聴診所見 ・心電図

が重要

 

☆心電図

まず1番重要な所見は

徐脈/頻脈

・ST上昇(J波で定義通り見ること)

 

☆房室ブロック

息切れ程度で来院するも意識を失うこともあり注意すべき

・PQ延長=OK(1度)

PQ間隔延長=OK?(ウェンケバッハ2度?)

問題は、

・PQ間隔一定(モビッツ2型2度)

PP、RR一定も、関連なし(3度)

=要は上室性でないものが問題

PQ間隔延長に見えても、よくよく見れば3度の可能性もあり注意!

PなのかUなのかもPP間隔は基本的に等間隔なので区別できる

RRとPQをしっかりと見るべき。

 

☆完全房室ブロック→VF・TdPについて

QT延長にtriggered activityの一つ、EADが重なり起きる

原因は薬剤性、徐脈房室ブロック、SSS)、電解質異常

 

☆心停止

心静止

②pulselessVT・VF

③PEA(無脈性電気活動)

言葉の定義は詰まらないが、脈と電気活動は必ずしも一致しない

 

 

心電図をフォローしていると、

完全房室ブロック→VT→TdP→VF→心静止

というように目まぐるしく変化するものがあり、、

 

息切れからCPAにまで至る劇的な例を挙げて見た

 

 

105F10

鉄欠乏性貧血と二次性貧血との鑑別に有用なのはどれか.
a 血清鉄
b 網赤血球数
c 血清フェリチン
d 血清トランスフェリン
e 平均赤血球容積〈MCV〉

 

二次性貧血をきたす基礎疾患として感染症,②悪性腫瘍,③膠原病,④慢性腎不全,⑤ 肝疾患,⑥内分泌疾患などがあげられる. 感染症,悪性腫瘍,膠原病などに伴う慢性炎症に起因する貧血慢性腎不全に伴う貧血が特に重要で頻度も高い. 慢性炎症に伴う貧血は,貧血の中では鉄欠乏性貧血に次いで頻度が高い.

いろいろ含む概念である

慢性炎症で鉄の利用を妨げるヘプシジンが作られる。これも急性期反応蛋白。

 

血清鉄を総鉄飽和度(TIBC)で除して算出されるTSATは血清鉄の影響を強く受けます。血清鉄は鉄欠乏状態でも低下しますが、 軽度の炎症でも肝臓から誘導されたhepcidinによって血中の鉄は他の組織に偏在化するため、 血清鉄は低下します。

よって低TSAT値は骨髄における鉄の欠乏状態を感度高く(90%)検出しますが、 その特異度は著しく低下(40%)します.

www.m3.com

 

 

急性期反応蛋白と反急性期蛋白というものがある

CRPは急性期反応蛋白の典型だろう。
その他、ハプトグロビンやらセルロプラスミンがある。

つまり、HbやCuを運ぶような蛋白は炎症で増えるわけだ。

 

一方で反急性期蛋白という減るモノもある

それがトランスフェリン。Feを運ぶなら、お前も増えろやーー

 

 

 

91D25

5歳の男児.5日前から時々腹痛を訴えていた.食欲はなく元気もなかった.昨夜から38℃の発熱が続き,今朝,激しい腹痛を訴え頻回に嘔吐したので救急車で来院した.体温38.5℃.呼吸数50/分.脈拍120/分,整.腹部に筋性防御を認める.赤沈40mm/1時間,赤血球380万,Hb 10.8g/dL,白血球18,000(桿状核好中球25%,分葉核好中球55%,リンパ球20%).CRP 11.2mg/dL(正常0.3以下).
直ちに行うべき処置はどれか.
a 輸血
b 立位腹部X線単純撮影
c 高圧浣腸(禁忌)
d 上部消化管造影
e 気管内挿管による人工呼吸

#腸重積

まず腸重積なら、血便、嘔吐、間歇的腹痛である。

否定はできない。

疫学的に言えば、4か月~2歳くらいの乳幼児に多いので否定的ではある。

 

#Meckel憩室炎

穿孔をきたした場合、憩室が腹腔中央にあること、幼児で大網が短いので、汎発性腹膜炎になりやすい

これは疑わしい。そして小児に関係なく、虫垂炎との鑑別は困難。

 

虫垂炎

これも汎発性腹膜炎になりやすい

虫垂炎は初期からWBCが上昇しやすく、20000が国試の基準値である(笑)

だが、小児では役に立たない。しかも最近の問題は臨床的wなので、20000というのもどうなることやら。

 

 

いずれにせよ、立位でFreeAirを探す。

腸重積疑って高圧浣腸を急いで死なせたら大変だ。

可哀そうだが、しっかり訴訟は防いでいくスタイル。

106H23

10ヵ月の乳児.腹部膨満と血便とを主訴に来院した.7日前から,不機嫌になって嘔吐しては急に機嫌が良くなるという状況が繰り返しみられたため,4日前に自宅近くの診療所を受診したところ,急性胃腸炎の診断で整腸薬を処方された.その後,次第に嘔吐が頻繁になってきたため,3日前に再び同診療所を受診し,点滴を受けて帰宅した.本日になって血便も伴うようになり,ぐったりしてきたため同診療所から紹介されて受診した.意識は傾眠状態で刺激への反応が弱い.体温35.9℃.心拍数128/分,整.血圧74/48mmHg.呼吸数24/分.顔面は蒼白である.腹部は膨満している.黄色の液体を頻繁に嘔吐している.
現時点の対応として適切なのはどれか.

a 浣腸
b 便培養
c 急速輸液
d 注腸造影
e 抗菌薬の投与

 

血圧は一見問題ないように思える。(下限付近ではある)

乳児は脱水を来しやすく(特に嘔吐)、それを判断するのは体重であった。

だがこの問題では体重の情報は載っていない。

なぜなら傾眠傾向、ぐったり、というだけで重大だから。

 

 

問題は輸液である。

脱水なのだから利尿が得られない。したがってKフリー(ないし4以下)の輸液が必要だ。

1歳で3倍の10㎏になるわけだから、おおよそ10㎏くらいの赤ん坊として、一日に必要な最低輸液量は、100ml/kgで1Lである。