91D25

5歳の男児.5日前から時々腹痛を訴えていた.食欲はなく元気もなかった.昨夜から38℃の発熱が続き,今朝,激しい腹痛を訴え頻回に嘔吐したので救急車で来院した.体温38.5℃.呼吸数50/分.脈拍120/分,整.腹部に筋性防御を認める.赤沈40mm/1時間,赤血球380万,Hb 10.8g/dL,白血球18,000(桿状核好中球25%,分葉核好中球55%,リンパ球20%).CRP 11.2mg/dL(正常0.3以下).
直ちに行うべき処置はどれか.
a 輸血
b 立位腹部X線単純撮影
c 高圧浣腸(禁忌)
d 上部消化管造影
e 気管内挿管による人工呼吸

#腸重積

まず腸重積なら、血便、嘔吐、間歇的腹痛である。

否定はできない。

疫学的に言えば、4か月~2歳くらいの乳幼児に多いので否定的ではある。

 

#Meckel憩室炎

穿孔をきたした場合、憩室が腹腔中央にあること、幼児で大網が短いので、汎発性腹膜炎になりやすい

これは疑わしい。そして小児に関係なく、虫垂炎との鑑別は困難。

 

虫垂炎

これも汎発性腹膜炎になりやすい

虫垂炎は初期からWBCが上昇しやすく、20000が国試の基準値である(笑)

だが、小児では役に立たない。しかも最近の問題は臨床的wなので、20000というのもどうなることやら。

 

 

いずれにせよ、立位でFreeAirを探す。

腸重積疑って高圧浣腸を急いで死なせたら大変だ。

可哀そうだが、しっかり訴訟は防いでいくスタイル。