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HELLP症候群か・・・

 

38歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠34週心窩部痛および悪心を主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはなく、これまでの妊婦健康診査で異常は指摘されていなかった。胎動は自覚しており、性器出血は認められない。体温36.5℃。脈拍100/分、整。血圧140/90mmHg心窩部に圧痛を認める。子宮は軟で圧痛を認めない。下腿に浮腫を認める。

 

105c2では 妊娠悪阻 ---- 下腹部痛を誤りとしていた。

妊娠悪阻では悪心や嘔吐症状はみられるも、下腹部痛がみられることはまずない

心窩部痛というのも同様に、おかしいと思うべきなのだろう。

 

血圧140/90mmHgは高血圧の基準値そのものだ。

20週を超えているので、診断基準は満たす。ギリギリだが・・・

なお160mmHg/110mmHgで重度の妊娠高血圧症候群だった。

 

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70%は妊娠中(おおむね妊娠27週以降=後期)であり,30%は産褥期(48時間以内)である。HELLP症候群を発症した妊産婦が高血圧による脳出血をきたした場合の生命予後は不良であり,母体死亡の主要な原因である。

最も重要な臨床症状は上腹部(心窩部あるいは右季肋部)痛である。

圧痛でもある

救急外来を担当する医師は,必ずHELLP症候群を念頭に置いて,採血によってLDH,肝酵素(ASTおよびALT),血小板数を確認せねばならない。

一般的にはLDH>600IU/LAST>70IU/Lおよび血小板数<10万/μLを認めるときにHELLP症候群と診断される =3徴

HELLP症候群の最終的かつ唯一の治療は妊娠の終了であるため,妊娠週数と重症度を考慮した上で,緊急帝王切開術を行う。

 

発症は急激で,大半の症例は高血圧かタンパク尿が先行し,半数以上で全身
浮腫を認める

血管透過性もある。

高血圧かタンパク尿が先行することも大事だろう。問題なかったのに、急に上昇した本症例もそうだ。必ずしも妊娠高血圧症候群が基礎にあるわけでもなく、ギリギリの線もあるということか。

 

血液検査
血液生化学検査

真っ先に取るべし。


c 腹部超音波検査

肝臓に血栓があったりもするかも。

心窩部痛というのは、肝虚血や肝被膜の伸展を反映したものなので


d 上部消化管内視鏡検査

内視鏡検査は、患者の状態が悪いと普通に死にうる検査で、危ないことを知っておく。


ノンストレステストNST

まあ・・・