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TORCH症候群は役に立たない

・心臓奇形

・血小板減少

・母体の発熱皮疹既往

から何を疑うか?

 

トキソプラズマ(Toxoplasma)

風疹(Rubella)

サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)

ヘルペス(Herpes)

リンゴ病・梅毒など(Other)

 

①水痘は、先天性水痘症候群というものがあり、抜けている。

*水痘は子供の病気なイメージで、かつ先天性水痘症候群は初感染を妊娠8~20週という縛りのため、それほど重要ではない。国家試験では答えにはならないだろう。

 

ただし発症したら、大人も子供も悲惨だ。

水ぼうそうは大人の方の場合、重症化しやすい。高熱に苦しむ。

なお「全ての発しんが痂皮化するまで」は出席停止であった。

 

②先天梅毒がotherに含まれていてはどうしようもない。

そしてこれは多い。痛みもなく、気づかない、放置した、ということが考えうる。

感染すれば7割が先天梅毒に至る。

多臓器不全であり、血小板減少が先天梅毒を疑わせるわけではない

血小板減少は、TORCHのいずれでも起きる。

症状は多彩で覚えていられない。

 

ちなみに梅毒は、Syphilisという

(115では英語問題で出題され、正答率は低かった(笑))

 

③伝染性紅斑は、胎内の時から貧血に苦しむ。

貧血があると血流速度が速くなることを応用し、胎児の脳内の血管血流速度を計測して貧血の有無を推測するという方法で、エコーでも診断できる。

確定診断は、なんと超音波ガイド下に臍帯静脈から採血というものだ。

 

図1

輸血を行うが、あまりにも大胆で、最初に見たときは笑うしかない。

胎児輸血は、技術的に熟練を要するため可能な施設は限定されております。

そりゃそうだ・・・

 

貧血から、高拍出性心不全⇒胎児水腫⇒死亡というのが最悪の流れになる。

妊娠初期に感染したとして、問題なく推移したのならば、出生後になって貧血であーだーこーだいうのはおかしな話で、そして貧血は今回もちろんのごとく無かった。

 

④風疹

難聴、白内障はいいとして、心臓はみんなふわっとしか知らない。

動脈管開存心室中隔欠損肺動脈狭窄

第二肋間胸骨左縁にLevine 2/6の連続性雑音を認めた。

というのは、肺動脈狭窄だろう。